煙草の記憶 | HOODのブログ

煙草の記憶


暑い。寝苦しさに窓を開ける…夜風が涼しい。

だが、夜風と一緒にどこからか煙草の臭いが流れてくる。

こんな深夜…?


たまに電車内とかで、体全体から喫煙臭を醸している男性がいる。

『お前は燻製かっ?』と言いたくなるなくらい酷い。肺は大丈夫なのだろうか。
いや、無事な訳がないな。

実は私も二十代半ばから三十過ぎまで喫煙の経験があった。
好きな銘柄は『セブンスター』で、実に美味いタバコだったと思う。本来、私は喘息があって煙草の煙が嫌いだったが、不思議に『セブンスター』だけは吸えた。
だから『マイルドセブン』や『キヤスター』など、何が良くて吸っているんだろう…単なる煙を吐いているだけじゃないか…と。

『峰』とか『あさひ』という銘柄もあったように記憶している。中学時代の教員等が愛用していたはずだ。とくに『峰』だ。今は見かけないが(免税店で中国向けに販売されているらしい…)、お世話になった担任教員が放課後に一服していた。
児童を前に喫煙なんて、今では考えられない風景かも知れない。実際、私の幼い頃は旅行先や移動中の列車内で同席する中年男性が『いこい』や『あさひ』を吸っていて、満足そうな表情を覚えている。確かに、当時は煙草の匂いが町中に漂っていた。
映画館、食堂、病院まで煙が尽きる場所はなかった。今に思えば、あまり高級な煙草ではなく三級品と呼ばれる品の匂いの方が私には印象的深い。