十年カメラ
修理再生して凛々しく見えるよ。
十年前くらいに中古屋で入手した一眼レフ・コシナCT1。機械式普及機として販売され、多くのOEM機としてマニアには知られている。
とくに必要な機材ではなかったが、あれば便利かな…ぐらいの気持ちで使っていた。
だが、ある日。共通して使えるはずの他社製品のレンズを装着するとリターンミラーが破損。リターンも不可能になってしまった。違うレンズを装着しても、同様に動かない。
『安いカメラだし、部品の構成に不都合が多いんだろう…』さして故障の原因も検証せず、実家に送り返す機材にもならず、廃棄処分扱いで部屋の押し入れの中へ。
以後、十年近く。
昨夜、ふと…やはりダメなのかな。改めて、レンズを装着して作動…動かない。
…ふむ、本当に廃棄か。
破損したミラー部を見る。妙にミラーが長い。と言うか、リターン部品から滑り落ちている。
…ん?
ミラー部を裏返して検証すると、なんとミラーとリターン部品は怪しい接着剤で止められているだけだった。経年変化でボンドが溶けてミラー部が滑り落ち、レンズ側の部品に接触破損していたのだ。呆れるほど安っぽい構造、コスト削減でチープ過ぎるにも限度がある。
この部品の作動はカメラの心臓部とも言う箇所で、カメラのシャッターと一緒に数万回は作動してゆく。どこのカメラメーカーを見ても、この部品に故障や落下など想定出来ない。
だが、例外もあって京セラ・コンタックスのカメラは同様の故障が多く、撮影機材としての信頼度は低い。そんな記事を思い出した。
そして、京セラとコシナは同じ生産ラインという『噂』もあった。
私はドライヤーの熱でミラー部を暖めて、固着したボンドを緩めながらミラー部を…『指で押し戻し』、リターン部とミラーの端をブラックテープで止めた。
たぶん…これで良いはずだ。
さて、修理成功である。記念撮影してみると、そこには機械に過ぎないカメラが元気そうに写っていた。
