お茶あがれ地蔵 | HOODのブログ

お茶あがれ地蔵

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朝方から雨であったが、少し散策に出た。

十年前以上だが、北池袋付近を歩いた時に、東上線北池袋駅から踏み切りを渡り、少しあるいた辺り。交番が近くにあって、その隣角に宝永庚申塚と『お茶あがれ地蔵』の佇む角道がある。


そこは、ちょっと不思議な空間で、行き交う人々を静かに地蔵が見守っている。


普通はカメラで撮影した後、ブログ用に携帯で撮影するのだが、今回はカメラだけ。お地蔵様とは本当に久しぶりの再会である。『お茶あがれ地蔵』は江戸時代に結婚を反対されて失意に亡くなった女性を供養する意で建てられた…と教育委員会の説明板には書いてある。

付近に店を構える商家の娘か、あるいは宿場の儚い遊女かも知れない。遊女の方が、北池袋の街に似合うようにも思う。


『どうぞ、お茶あがれ…』と人待つ顔の遊女が、いつしか一人の男性しか待たなくなった。当然、宿は商売にならず遊女は追い出される。
放浪する女は、生きる甲斐もなく寂しく世を去った。

さながら能『班女』の主人公花子と同一にするが、花子は縁あって恋人と結ばれる。しかし、現実の花子には過酷な悲劇しか用意されていなかった…。それでも、誰かが慰めようと『お茶あがれ地蔵』を建てて供養した。そんな空想が浮かぶ。

悲しく世を去った女からの見守りを受けて、慰めと癒しでもあるのだろう。通学路となった地蔵の前を、多くの女子高生達が足早に歩いて行く。

また再会はあるのだろうか。別れを言わない方が良かっただろうか。