誠実という名の不実
能に『砧』という曲がある。作者は世阿弥とされ、自身も絶対の自信作と考えていたようだが…。
一応、能『砧』を知っている事を前提で書いてしまうけど、『人は時に、誠実なるゆえに最も不誠実な結果を招く…』その典型が、この『砧』に描かれる妻に対する夫の行動であるように思える。
都に訴状を持ち上った夫は自らの職務、状況に誠実である。
間違いなく訴訟を勝ち取るための運動をしている。
…郷里に残した妻も、きっと同じように勝訴を待っているだろう。いや、俺は妻のためにも都で頑張らねば…。
…今年も郷里には戻れない。そうだ、夕霧を使いにやろう。俺の 手紙を持たせて近況を話して貰えば妻も喜ぶに違いない。夕霧は若くて気の利く女だからな…。
しかし、夫からの使いで都から下ってくる若い娘(夕霧)の存在が、どうにも含みが有りすぎる。
夫の身の回りを世話していると推察できる若い娘を、妻のもとへ使いに下す。この夫の誠実にして無神経振りが、世阿弥以来の数百年を隔てた今に、リアルな現実描写として浮き彫りになる。
たぶん…続く。
一応、能『砧』を知っている事を前提で書いてしまうけど、『人は時に、誠実なるゆえに最も不誠実な結果を招く…』その典型が、この『砧』に描かれる妻に対する夫の行動であるように思える。
都に訴状を持ち上った夫は自らの職務、状況に誠実である。
間違いなく訴訟を勝ち取るための運動をしている。
…郷里に残した妻も、きっと同じように勝訴を待っているだろう。いや、俺は妻のためにも都で頑張らねば…。
…今年も郷里には戻れない。そうだ、夕霧を使いにやろう。俺の 手紙を持たせて近況を話して貰えば妻も喜ぶに違いない。夕霧は若くて気の利く女だからな…。
しかし、夫からの使いで都から下ってくる若い娘(夕霧)の存在が、どうにも含みが有りすぎる。
夫の身の回りを世話していると推察できる若い娘を、妻のもとへ使いに下す。この夫の誠実にして無神経振りが、世阿弥以来の数百年を隔てた今に、リアルな現実描写として浮き彫りになる。
たぶん…続く。