深夜に友人から久しぶりの電話が来た。
明日、仕事が終わったら夜行バスに乗って君の実家の墓参りに付き合うと言うのだ。いや…確かに実家の墓参りの予定はあるが、何故に彼が来るのだ?
『じゃあ、向こうに着いたら酒でも飲むか』と尋ねると、忙しいので時間はないと言う。
久しぶりに彼の声を聞くので、私は違和感もなく会話を続けたが、そう…彼はすでに故人だ。
ここで会話が切れて、私は目が醒めた。
なんだ、あいつ。
墓参って言うが、自分の墓参りに来いと言いたいのだろうか。君の墓所は博多ではないか。
少し遠すぎるぞ。
何か博多に行ける仕事を作ってくれ。
夢枕というのは、意外な時に訪れるものだ。