手料理という存在
自炊した『鰊の煮付け』
先日、月曜深夜のテレビ番組『AKB有吉共和国』を見ていた。その日は、若いメンバー達三人とスナックのママ達がカラオケ大会をするという企画。どちらが勝つかを当てると、スナックママ特製の料理が食べられる…。
すると、有吉氏が曰く…『俺、スナックママの料理って苦手なんだよ…笑』
ん…どこかで聞いたような文言だな?
有吉と同じ事を言っていた人が身近にいる。
そうだ。私の父だ。
…父『会社の者と飲みにゆくだろ。そいつが行き着けの店で、ママの手料理が出るんだよ』
父『あれが、俺はどうにも苦手なんだ』
そもそも…スナックママの料理は旨いのか。
たいていの店に行くと、特製ヤキソバ、お好み焼き、シチュー、おでん、糠漬け等がママの手料理として出てくる。
そこで客は、…こういう料理ってチェーンの居酒屋では食えない美味しさだよね…作る人の暖かみがある…と必ずお世辞を言うのが儀礼みたいになっている…らしい。
そこを外すと、店の常連から冷たい眼差しを受け、店を紹介してくれた友人の顔にも泥を塗る。
そこら辺りの気遣いがやたらに面倒くさくて、『スナックのママが作る料理は苦手なんだよね』の本音ではないか。
私も実は…苦手である。父とは物心ついて以来、様々に意見が合わない事がほとんどだが、ここだけは不思議に一致していたのだった。
