一夜の伴侶
ギックリ腰が痛いまま、まだ治らない。喘息薬の服用と腰痛で、活動は日々に低下。さながら冬眠を控えたトカゲ何かのようだ。
昨夜、今日の昼間とテレビで『ローマの休日』、『麗しのサブリナ』を見ていた。
主演のオードリー・ヘップバーンは当時25歳という絶頂の若さだ。映画の解説をネットで探していたら、『ローマの休日』の二人…王女と新聞記者の関係を探る記事があった。
映画製作当時、米国にはマッカーシー旋風が吹き、いわゆる『赤狩り』が支配した時代が作品に影を落とす。
ゆえに、肉体関係を連想する台詞や演出は排除され、見た目は清純なプラトニック恋愛に描かれた…とされる。
なるほど、『ローマの休日』の深読みするも良し、また単純に恋愛コメディと見るも楽しい。
私が気がついたのは、王女の心理が恋愛へ傾いて描写に従って、声のトーンが低めに変化し言葉に艶が出てくる。そして、どことなく伏し目に記者を演じるグレゴリー・ペックと視線を交わす。
…人によって読み方は変わる。
彼女が一人の男性に恋をして、本気で生涯を伴にするか…その煩悶は描かないが、ならばこそ、この二人の関係の深さがある。
その処理は、なかなかに洒落ていて、何よりオードリーは美しい。確かに、グレース・ケリーやイングリット・バークマンなど美人女優は星の数だが、無垢な女性像と現実の肉体の存在感を考えると、彼女しかいない。
作品中で『グッバイ…さようなら』、この台詞が効果的に幾度か使われるが、最後のシーンで二人は視線を交わすも、別れを言葉に表さない。
嘘から始まった二人が真実に目覚めた時、本当の関係になったという事か。
