一度、舞台納めをしよう
写メは私と某御先祖様の彫像ツーショット。あんまし似てないね。
舞台稽古中のダンスで足を痛めて活動を断念とか、休止を余儀なくする話を耳にする。
バレエ、モダン、ジャズ、日本舞踊ですら腰や足首を損傷する。練習前に十分なストレッチや予備運動をしておいても、事故は多い。
学生時代に素人弟子として能の仕舞を始めて、私も三十年(年月だけは積み上げた)になるけど、とくに足に損傷が残る。
右足膝、半月板の損傷、右足親指は脱臼、骨折を繰り返し…もう、あまり力が入らない。脛椎や肩には爆弾があるし、肩は舞う度に痛いのだ。
それでも、他の部所で補いながら続けてきた。しかし…もう、痛みを押して頑張る必要もなくなったと、最近は思い始めている。
仕事ではないんだから、無理する場ではない。
人前で舞い、演じる楽しさも充分に味わったし、大抵は批判とお叱りの講評だけだったけど、たまに見知らぬ美女から『サイン下さい!』って言われた…過去の栄光ってヤツも経験した。
舞台が嫌になったわけではないが、もう何かを引っ張る必要もなくなった。
私は素人だし、そろそろ舞台からは消えても良い年代になったように思う。
これが玄人ならば、世阿弥の云う『せぬところ』まで追い詰めて、高みを見るのも生涯に求める花なんだろうな、と思う。
今まで、素人なりに花を追ってみた年月だった。結局、何を得たのか自覚がないのだが、この辺りで一つの区切りにしたい。
たぶん稽古は続けるけど、今後も舞台に上がるかは未定。
と…知人が読めば嫌みに聞こえるだろう。
まぁ…老人の呟きとして許されよ。
