カメラのデザイン
街中に看板があって、なぜかオリンパストリップの写真が使われていた。
オリンパストリップはハーフサイズで一躍人気を博したオリンパスペンの通常型。写すフィルムサイズをハーフからフルサイズへ変更された。
だいぶ前、カメラの分解を趣味にし出した頃だ。カメラ修理業者の方に『オリンパストリップは、生産された時代が長かったから、部品構成や仕組みが年代に違うので、面白いよ…』と教えられた事がある。
この看板のトリップはレリーズボタンが黒。私の修理した機体は銀メッキで、以前に友人のを修理した時はボタンがプラスチック製だった。
こうして看板で見ると、トリップは大衆機、家族用庶民派のカメラだったはずだが、直線と円が巧みに組み合わされてデザインはお洒落で粋だ。
ドイツ製の舶来超高級撮影用写真機とも比肩するくらい格好いい。今の時代ならば、サライなオジサマ達が首に下げていてもクラス感を肯定してくれるはず。
カメラとしては1/30と1/250のシャッター二速式、ピントはイラストに合わせてゾーンフォーカス。セレン式という原始的な太陽発電式で、少し暗いとシャッターは降りない。そうすることで失敗を防いでいる。
カメラ詳細はともかく…この看板を見て『新製品のカメラ?』と感じる人は、デザイン感性が鋭いのではないか。

