死んでもらうぜ…。
『あなたに褒められたくて』高倉健著・集英社文庫・ナツイチ担当鈴木まりや。
先日、紹介した『あなた…』を読了。エッセイを読む日数としては時間を使ってしまった。
なんとか三冊だな。
そう…神7ならぬ本7選抜で七冊が目標だったが…他の出版社文庫も手を出した事もある。『家日和』・『不安の力』そして本書。みぃちゃん、はーちゃん、まりやんぬー。
ゴ、ゴホン!(ちょっと咳が…)
『あなたに褒められたくて』…主題は高倉健氏自身の『さらぬ別れ』についてであることを、最後にホロリと述べている。
『さらぬ別れ』とは古典・伊勢物語にある親子の死別である。どんな親でも、いつかは子と別れる。その悲しみを描いた段が伊勢物語にはある。
第一に『あなた』とは高倉氏の母親であり、そして氏が人生で出会った全ての人々に宛てて送った言葉でもある。
氏の心情を一言で言い表すとすれば『一途に誠意』あるのみ…何より人からの誠意に答える努力。その裏側にある、他人に甘えない禁欲さ。
誰を前にしても『相手を肯定する事』…その『肯定』という内的作業が、いかに困難であるかは氏自身も語っている。
そこに近付こうとする努力が、俳優高倉健なのだろう。
以前、ドキュメント番組で『ここで…馴染みになっても仕方ないからね…』という氏の言葉があった。
確かに、我々はどこに行っても安易に馴染みたがる。馴染まない人をコミュ障と揶揄したりもする。
しかし、他人に対して、そこを一歩引かなければ成立し得ないのが大スターであり、その内実の裏側に『秘めた誠意』の思いが、このエッセイにも伺い知れる。相手に誠実であろうとする選択とは、本当に困難な道なのだ。
