上からマリ子
この一件は幾度がブログに書いている。
封印したい記憶がある。誰しも一つや二つは抱えているだろう。私には、そんなのが無数にあって、よく発狂しないな…と自分でも思う。失敗の原因は自分なのだが、まぁ…辛い。
八年前の晩冬、ある日。秋葉原の街角を歩いていると、一人の若い女性からビラを貰った。目の前にあるビル内でアイドルグループのライブがある…と云う。
ビラを私に手渡す彼女の声や表情が、記憶から消したはずの或る女性の面影に似ていた。あっ、顔が似ていると声も同じだな…たぶん、トラブルメーカーの面倒な女に違いない…など。
で…ビラを手に、彼女の博多系訛りに気づく。彼女は九州地方の人かな…。
『もしかして、九州から来てるの?』思わず、質問した私(根本的に女性に興味深々なんだな…)
『判りますか~。そうなんですよー、でも、東京は暖かいですよ』と、カラカラ笑った。
気さくな、いい笑顔だった。また、会いたいと思わせる。
数分、何か会話をしたが覚えてはいない。
『面白そうだね。必ず、見に行くよ』と適当に答えて…別れた。
歩きながら、世の中には似た女もいるものだな…と感慨はあったが、結局はアイドルグループのライブには一度も行かなかった。やはり、記憶に消したい対象に似すぎていたからだろう。
七年後…あのビラ配りの子が、篠田麻里子であると知った。
まぁ、間違いはないだろう。
あのビラ、捨てなきゃ良かった。一年くらいは保管していたんだよね。
今となっては、記憶もモザイク状に刻まれて、何が真実だったか。
もう、わからない。
