先達へ妄想を捧げる…四
突如、露天風呂に現れた二頭の『ヒグマ』は、逃げる高橋みなみを容易く捕まえ、軽々と持ち上げながらバスタオルを剥ぎ取り、担ぎあげたまま風呂に飛び込んだ。
白い波柱が上がった。
ざば~ぁん。
どぼ~ぉん。
じゃわじゃわじゃわ。
『ヒグマぢゃねぇしっ!』
『っか、ゴリラでもねぇし…!』
ヒグマとゴリラに見えたのは秋元才加と野呂加代の二人であった。
小…みなみ、絶対に逃げるだろうと思って二人も呼んでおいたんだ。
まずは、私たちでお風呂に慣れておけば、他のメンバーとも入れるようになるだろうって、マリ子と考えたんだよ。
秋…あー、寒かった。そ、そうだよ。いつまでも逃げていても、殻はやぶれないよ。みなみ…。
高…なんだよ、これー。みんな、ひどいよ。
野・大…いや~、やっぱり、裸の付き合いが最高だね。女も男もさ。
この半月後。某ドームコンサートが挙行された。セットリストもクライマックス。
総監督高橋みなみは、いつになく静かな表情でステージの中央に立っていた。マイクを持ち…。
高…ここで私、高橋みなみから皆様にお話したい事があります。
え…っ!
静まり返るドーム。
高…私、高橋みなみは…メンバーの一人として。
まさか…卒…?
高…私もぅ、ついにぃ、メンバーと風呂に入る事ができるようになりましたぁぁ…。優子と二人で楽屋でも一緒に、はだ…。
ぉ、おぅ。
反応に戸惑うファンとヲタ達。サイリウムが沈んでゆく。
板野友美が呟いた。
『それ…需要ないから…無理』
指原…ちっ、ここで滑るんぢゃねぇよ。
逝け!森保、出番だ。
指原に促され、森保まどかが舞台前へ一歩、歩み出た。
森…あのー。私も昨夜、美桜ちゃんと篠田さん、三人で一緒のお風呂に入りま…。
キターーーー萌えるぜーーーぇ。
ぅぉぉおおおお・・。
森保の声が終わるか、否か。サイリウムが再点火され、ドーム内はヲタ達の大絶叫に包まれたのであった。
おしまい。
Ψ(Φωヽ)Ψ
この物語は妄想による架空でありフィクションです。個人名、団体など実在とは無関係です。
以上。テへペロ。
