先達へ妄想を捧ぐ…参
高橋みなみ。巨大アイドルグループの頂点に位置する総監督…現代のマザーテレサ、大丈夫センサー。
しかし、絶対に風呂には他人とは入らない。仲の良い小嶋、峯岸でさえ一緒に入った事はない、と伝えられている。
その…彼女が一緒に風呂だって?
小…さぁ、たかみな。
高…あのー。私、入って宜しいでしょうか。しかし、みんなが騒ぐ話ではないと思うんで…。
木戸を開けて、高橋みなみが入ってきた。大きな白いバスタオルで首から下をガッチリ完全防備でいる姿は、何かひどく場違いな印象さえあった。
大…何それ、反則ぢゃん。まずは、バスタオルを脱がせて…『そうか、君はこんな体をしてたのか…※』なんちって。
小…優子っ、ダメだよ。そんなスケベオヤジみたいなこと言っちゃあ。
峯…そうだよ。だいだい、楽屋で優子が裸躍りするから、たかみなは絶対に私は メンバーの前では脱がない…なんて言い出したんだから。
高…今まで誰ともお風呂入らなかったけど、そういう態度がリーダーとして配慮が欠けていたと反省して、今夜は…こうして、ですね。
小…まぁ、総監督。お背中を流しましょう。
峯…露天風呂は体ひえちゃうから…まずは湯に入ろ。
大…ふっ・ふ、バスタオルは…取らないとね。
小・大・峯…まぁ、まぁ、そんなに緊張せずに…。
高…やっぱ、恥ずかしいよぉ。ダメ。みんな、ゴメン…!
胸元のタオルを必死で押さえて、木戸へ逃げ出した高橋みなみ。
と、その瞬間であった。露天風呂を囲む熊笹の茂みから、黒く大きな動物が二匹飛び出した。
峯…ぎゃー、ヒグマだぁ、
大…ち、ちがう。ゴリラだよォ。
続く…。
※…小説・失楽園にて、そんな台詞があったように記憶する
