トニー賞
トニー賞録画番組を見ていた。
司会者のMC、上演されている舞台紹介と一部上演、プレゼンター、舞台演技の全てが演技過剰というか『くどい』、そして舞台上で『しつこい』アピール。
しかし、そこまで振り切って演じる事で、その役が始めて生きてくる。舞台環境に対する甘えが少ないのだろう。各オーデションで選ばれ、スポンサーの意向に左右され、観客のブーイングと批評に晒される。その中から勝ち上がる作品と役者達には違いない。
話は逸れるが、『シンデレラ』のシーン、ドレスの早替えは歌舞伎の引き抜きみたいな技を使っていたけど、似たような手法はミュージカルにも昔からあるんだろうか。
まぁ…些末な事だが。
ふと…日本の古典芸能に多少問題点があるとしたら、環境に対する甘えがあるようにも思える。
それは『良さがわかる人は、必ず来てくれる』という甘え。
欧米のミュージカルと比較しても意味をなさない。しかし、良さをわかる人、そうでない人、そのいずれにも、あまねく自分達の舞台を伝えようとする気骨は、どうやら彼らの方が強い。
あの『くどさ、しつこさ』も、おそらく大切な精神文化の形式だと私は思う。
キリスト教には、パンを求めるものに石を与えるものがあるだろうか…という問答があったように記憶する。
それを、急に思い出した。
