突然に夕立って…
突然の夕立。雨に打たれベランダが安っぽい音をあげる。
蒸し暑くて堪らずに、まずは出掛ける前にお風呂をした。ついでに髭も剃る。
髭は面倒だな。ほとんど意味もないし…。
鏡を見ながら、ある逸話を思い出した。
戦前の首相に東条英機という、あまりに熟知された人物がいる。東条には自慢の髭があった。
毎日、風呂で整えていたらしい。で、彼は鏡を使わないという話が残っている。
『自分の顔なんだから、自分が一番よく分かっている。鏡は不要だよ…』それが理由。
同じ時代の人物に山本五十六がいる。これも、今さら説明はいらないだろう。
開戦前夜、海軍の駐米将校が米軍の情報を収集し提出したが、山本は一瞥して『ギャンブラーが相手の手の内を知って博打を打つわけぢゃないよ…』と、首脳部は情報収集に積極的ではなかった…という。
何か思い込みだけが強いリーダーや指導者に指揮されて開始されたのが、あの戦争であった…と言えば齟齬がある。
しかし、道は乾いているから雨は降らないよ…と言いながら山に入る無謀な登山にも見える。
いつに夕立は止むのかな。この雨ぢゃ、出掛けらんないや。まだ時間あるし…寝るかな。あるいは一杯やる?
