ジャンプ!…三
私の学生時代、最初の一年間だけ能を教えて頂いた先生の言葉に、『構えはね、どんなに力を入れても、体に力が入っているようには見せないで舞いなさい』
あるいは『使う体は大きく、舞う舞台も大きく使う。小さく処理しないように。』
『強くて勇ましいように見える型の舞いはね、結局はバタバタした動きか覚えないんだよ』…など。
大袈裟に言うと、私の身体基礎を作ってくれた先生でもある。
演技というものは、人前で演じて初めて実感可能な世界だ。ある意味で戦闘経験と似ている。
しかも、舞台演技はスポーツと異なり勝敗がなく、本来は判定基準すら明確にはない。
ただ…『周囲を実感させる能力の付加』があるか、ないかだ。
もどかしいのは、この感覚を説明する場合、他人と共有できる場合は限られる、ということ。
言葉以外の表現で共有できる相手とは、つまり身体表現に同型同類の事項を見出だした相手なのかも知れない。それは家族、友人、恋人さえも無理であったりする。
それは孤独な世界。
まぁ…これも、貧しき素人の戯言に過ぎず。
