十年くらい前か…この隣町を流れる川沿いの桜並木を訪ねた。
桜が散り始め、川面には花筏が浮かぶ。
そんな様子を携帯で撮影しようする若い女性が一人。
滅多に他人(見知らぬ女性に)話しかけない私だが、彼女があまりに清楚で美しく、周囲の桜に合った風情だった。
私『うまく撮れますか…?』
桜『ダメですね…でも、これだけ綺麗だと…』
彼女は四月から就職を前にした大学四年生で、本当の夢は絵本作家なのだとか。
就職は、その夢への一歩だ…と。
私は彼女でポートレートを一枚撮らせてもらい、別れを告げた。
絵本作家への夢は叶ったのかな。
それとも、歩いている途中なのか。
そんな場所が、この桜であったりする。