朽ち果ててゆく
春の海を見よう…そう思い立ったが、先日のデータ消滅事故からのダメージより抜け出せず、部屋に引きこもる。
写メは、中学時代に近くの海岸で祖母と一緒に拾った貝殻。
祖母は、孫と拾った思い出を大切に保管していたようだ。
私は祖母との思い出も忘れ果て、今まで一体何を追ってきたのか、追われていたのか。
私の矛盾した意識に去来する映像は、記憶の中にしかない。
先の見えないまま仕事は不可能だ。他人と語り合うのも無理だ。
いや、未来の映像が見える人もいるだろう。
いつか巡り会う伴侶や家族、仕事等…それが見えている人は『幸福の尻尾』くらいは手に掴んでいる…はずなのか。
ともあれ、事態が解決しない限りは、私に語る言葉は見つからない。
このまま消滅するのも手だな。
一瞬にして死活問題となる怖さが、身近に立っている。

