黒髪のエトス。能の本鬘
写メは能で使用される鬘。当ブログにも登場している。
普通は馬の尻尾を束ねたもので代用するが、これは本物の女性の髪。大正時代に作成されたもの。
演者側の好意で撮影。
近くで見ると、ザワッザワッ…と動きそうで怖い。能面なんかより、遥かに怖いぞ…。というより、彼女の声すら聞こえてくるような錯覚がする。
能に『蝉丸』という作品がある。盲目の皇子が主人公だが、並立する相手役に姉宮逆髪と名乗る皇女が出てくる。
逆髪は、心の中では美しい緑の黒髪なのだが、現実には心乱れて狂気し、髪は逆立つ姿をしている。
これはブログで書いたけど、私も稽古で習った曲だった。
逆髪の舞型には、自分の髪を愛しく撫でる箇所がある。
ふと…自分は男性だが、実際に髪かあったら感覚が判るのかな。以来、二年前から髪を伸ばし続けているわけだ。最近は加齢に従い、薄くなってきて、もはや限界かも知れないな。
先日、知人の女性に三編みの方法を聞いた。ネットでも検索して、生まれて初めて三編みに挑戦!
んーーー、むずい…こんな技術も幼少から身に付けるのか、女の子って。
そうだ、女性において髪って、自己存在に相当するシンボルなんだね。
丁寧に髪を整え、育成して…抜け毛、風呂上がりやらと対策とメンテが大変。
黒髪を扱った和歌も、悩ましげに詠まれていて、古来から女性と髪は同一のエトスを有しているのかな。
前述の本鬘、髪を売った女性が幸せな生涯であって欲しいと願ったりする。こちらは、時代が後だから、矛盾するけど…
