少しだけ軽くなる肉体
撮影に行く途中。喪服を着た女性二人連れを見た。
私は気にもとめず、車窓の景色を眺めていた。曇り空の様子は、夜は雨…帰りが少し、めんどうだなぁ。
地下に潜りだした電車の窓硝子に映った自分の姿が、見覚えのある誰かに似ている。
誰かな…ぁあ、母方の叔父に違いない。家族思いであったけど、一番家族を泣かせた人だった。
不思議に私は、この叔父に性格や感覚が一番近いように思う。
そのため、父方の祖母などは、私があの叔父に似ているのを、かなり心配してしまい…うっかり口にしてしまうくらいであった。
その叔父の学生時代、当時付き合っていた彼女でも撮影しようと思ったのだろう。奮発して買ったカメラで、まだ幼かった私が雪の中で遊んでいる様子をスナップした写真が、実家に残っている。
子供が雪を眺める表情、何やら飛び跳ねる私…どのショットも上手い。
しかも、叔父がカメラを向けていた記憶が私にない。意識させずに撮影する巧みさがあった。
たぶん喪服の女性を見たために叔父を思い出したのか。
今は、叔父の墓がどこにあるのかも知らない。
でも、まぁ良い。
こうして私の意識に現れてくれる。
