『シベリア』代々木能舞台…写真屋の独り言…弐
劇『シベリア』ゲネを見ている最中に、私が忘れかけていた人々を急に思い出した事などを、昨夜から綴ってきた。。
劇中、『シベリア』という菓子が出てくる。カステラに羊羹を挟んだ和洋菓子だ。
遊女であるヒロインが、この菓子を客に勧める…そんな下りがある。
同じように、その店のママ(婆さんが…)作るお新香がすこぶるに美味かった。糠床作りに工夫があるらしいのだが、蕪や胡瓜の漬かり具合は絶妙だった。
彼女が、お新香を作り出したのは戦前からだった、と聞いた記憶がある。
客をもてなすために作るお新香と、それを目当てに来る客がいる。
人が美味しいと言ってくれる幸せ…というものは、何より得難い。
今日は朝方から安房鴨川で、舞台撮影が一つあった。
千葉の山奥にある古い名刹寺での薪能。
さして何よりも、海岸のサーファー娘や、駅からのタクシー、寺門前の食堂、駅前交番の巡査…皆、一様に親切だった。撮影機材の荷物を預かってくれたり、色々と土地の事を教えて貰えた。
不思議とアグリーな言葉を一度も聞かなかった。
人は、一人では幸せに巡り会えないものだ。また、自分の都合を優先すれば、一つの幸せを他人から奪う…そういう思いを抱いた一日。
写メは千葉清澄寺境内に咲く彼岸花、千葉最大の千年杉、お世話になった門前の食堂。


