役にたたない記憶
私が幼かった頃の話だ。
親が読み捨てた週刊誌に小説家志望の窃盗犯の記事があった。
犯人は幾度か応募などもしていた、と云う。
彼の文体には、特徴があって必ず『だったのだった…』で文末を結ぶらしい。
『…だったのだった』
で、この妙なフレーズが幼少の脳裏に刷り込まれた私。ふと、今でも稀にに出てくる。
やはり別の窃盗犯の話。
逮捕された彼の部屋には、何故か沢山の小石があったらしい。石には日時と場所がメモしてある。
取り調べの警官が尋ねると、犯人は以前逮捕された際の調書において、記憶がまったくなくて『窃盗先くらいは覚えておけ!』と、警官に叱られたそうだ(ここで叱るならば、いい加減に盗みから足を洗え、と言うのが正しいだろう)
そこで彼は、河原の小石を拾って逐次メモしておいたのだとか。
この二つを結びつけて何か『相棒』とか『太陽にほえろ!』的な妄想劇を働かせてみる。
