傘も見苦し
昨日より雨が降り続く。
仕事的には雨天とは、けっして宜しくはない天気だ。撮影機材は濡れるし、何かと左右されやすい仕事先の客は減る。
それでも、私は大声で言いたい。
『雨が好きだ』
何より雨天独特の空気感が良い。特に新緑の初夏と紅葉の晩秋、季節の雨との組み合わせは撮影とかを無関係にしても、目に鮮やかで趣深い。
撮影手法としては、出尽くしていると思うのだが、かっての広重や北斉が残した作品のような雨を描いて…いや、写してみたい、と思う。
深夜に雨足は強くなる。太鼓のバチを打ちならすように激しく叩く。
妄想の中で、雨に沈み込む自分の肉体を思い浮かべる。
沈み込んで、やがて朽ち果てる…自然に還るという事とは、そういう姿なのだろう。
雨の中、傘を差して街を行く自分の姿を、遙か上空から眺めてみたりする。
ぁあ、俺が歩いているな…どこに行くんだ、あいつ。
雨の日の過ごし方、一人妄想を楽しむには丁度良い。
ぐちゃぐちゃに濡れたからって、苛ついても仕方ない。
天気の決めた事なのだ。
