我が身に問う | HOODのブログ

我が身に問う

HOODのブログ-CA3A0461.JPG

心が少し疲労気味。朝から降り続いている雨だれの音が、ベランダにカウントを取るように響く。


私の撮影する対象は能楽だ。そこで、能について人から尋ねられる質問が一つある。

『能を理解する簡単な方法ってありますか…?』


国文学と芸能史、しかも古典文学による古典のための古典による古典芸術…それが能楽だ。
では、あえて一言。上の質問に対して、『能を簡単に理解する方法、あるいは好きになる方法』など…実は…ない。

研究書・専門書の類はもとより、能楽ガイドブックや初心者向けの本など、幾多も出版されている。だが…興味だけでは読んだところで、頭には入らず、何を説明しているのか理解できないだろう。


さらに実技(謡、舞)の上達方法など技術指導書を読み、明日より少しは上手くなれる…ものではない。
そんな指導書が存在するのならば、最初にプロ達が真っ先に読むだろう。


能とは理解によって知識へ蓄積される学問ではない。また師匠について謡や舞の技術を高めたから能の領域に到達するのか…でもないようだ。

では…能とは何か。
そこで、私なりの一言。『能とは知識にあらず。能は男から見た女、女から眺めた男に似て…常に日常の風景にある』
男が女を知りたければ、まず男である自身を理解する事から始まる。

同様に、能を知りたければ、人である自分自身を理解することから能に近づく…(能を求める自分の意識ということ…能を求めていなければ、絶対に好きにはならないよね)

そこに時代を超越した芸能である能が、人の情熱を揺さぶる作用、能楽の汎神性があると私は思う。