歌を聞くときの耳
昨日、早朝近くの地震で目覚めた。激痛の走るギックリ腰を抱えては、何が来たとして如何ともならない。
動画サイトでも眺めて歌でも聞こう…と、『さよならの向こう側に・山口百恵』
幾度聞いても良い歌だと思う。見た動画は『引退公演』のものだった。あれは、いったい何年前か…。
時折、声を詰まらせながら歌う山口百恵の姿。現役時代、歌唱力があるとは、必ずしも評価されなかった歌手と言われていた。
しかし、歌手が巧いから、人が歌を聞くのではない。
その人、その歌手の歌として聞きたい場合が、歌を求める理由なのだ。
唯一人の『山口百恵』が歌うから『さよならの向こう側に』…なのである。
確かにリズム感覚、節回しや声質、声量は歌手の基本であろう。そして、その全てが優れていたとしても、優れた歌手として成立するとは言い切れない。
たとえば、『口パク』と言われて久しいAKB48ですら、おそらく最後に到達すべき山頂は『山口百恵』的地平に違いないのだ。
彼女等のド下手な歌唱力であっても、人は別の部分で真実に心から感動するものなのだ。
『歌は世につれ、世は歌につれ…』とはよく言った言葉だと思う。
