ガーデニング
某名刹とされる神社の裏庭。囲った石は半分くらいまで埋め込まないと…いかにも素人臭い。
震災以来、実家の気落ちして両親は元気がない。
そこで暇を見て実家へ帰宅した時に、二人の気晴らしのために、狭い庭だけど作り直している。
今まで庭など全く興味はなかったが、何事にものめり込む体質であるためネットや図書館、書店で参考文献を漁っていた。
飛び石、庭砂利の敷き方、ソイルコンクリートによる下地作り、タマリュウ、ギボウシ、ツワブキなど下草。椿や沈丁花の植え換え…茶庭の歴史まで。
そして、ふと。
先日、新宿の甲州街道に面した交差点を渡っていたら中央分離帯にサツキやタマリュウが植えられているのが目に付いた。
『こんな排気ガス一杯の場所で根を下ろして生きているタマリュウもあるのか…』
ガーデニングをする方なら周知だろうが、タマリュウは扱いも容易で、主に庭のポイントやライン作りで使われる常緑の草だ。ホームセンターなどでカートに入って箱売りされている、ありきたりの植物だ。
しかし、立派な日本庭園に植えられたタマリュウもあれば、大都会の道路端に植え込まれたタマリュウもあるのだ。
環境は違うが、各々が頑張って根を張っているのだろう。
それは、どこか人間の運命とも似ている。
いや、人間だからこそ、自ら生きる場所を選べるのだ…その権利は死ぬまで維持されるはずだ、とも思ったり。
