千里の道 | HOODのブログ

千里の道

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先日よりの右肩治療のため処方されていた鎮痛剤の作用なのだろう。

『酒が進まない、あるいは酔いが早い』
減らぬグラスを眺めながら、小さな楽しみを一つ失ったように気分になる。


『迷』に書き込んだ撮影中の移動について、一応報告を書いておきたい。

私は持論として演能中に移動して舞台を撮影する手法は、撮影者本位の視点であって、見所の真意には反すると考えてきた。それは生涯変わらないと考えている。
だが、能とは『一期一会』でもある。

観客、役者ともに同じ舞台空間を見ること、演じることは二度とできない。

ここは結論として『行動をして反省すべし』を選択した。

シーン展開に従って正面→脇正面へ。

私は、今回の移動撮影によって、先ほどまで眺めていた能が、移動位置で全く異なる空間支配になっていることを知った。
能を正面と脇正面※からの見た…印象論としての差というのは、撮影という作業においては突然違う能に瞬間移動したくらいに、違う能に見えた。

演劇全般に言えることなのだろうが『予定調和』など存在しない。もし、あったとしたら、それは舞台演劇ではないのだろう。

今度は撮影予測の立てにくさ…という課題が見えてきた。

まだ道は遠い。

※能舞台は舞台より眺めて前に正面、右側に脇正面、その中間に中正面と客席を設ける。前左側は舞台の構造上と演技構成より、通常は客席を持たない。