能『歌占』
今夜は代々木能舞台にて能『歌占』浅見真州、狂言『呂蓮』野村万作がある。
『歌占』は直面の能である(面を使わず素顔で演じる)…他の芝居と異なるのは化粧やメイクをせず、素顔という演出で舞う事にある。
面を用いた能よりも得手不得手が現れやすく、演技者としての扱いも簡単ではないようだ。
また撮影側としても、工夫を必要としてくる。単純に撮影すれば『能楽写真』として成立する舞台ではないからだ。
しかし、直面で演じる能には名作が多い。鉢木や安宅、盛久など人間心理を演じる作品である。
要するに、能役者自身の問題と深く関わってくるのだ。
直面で演じる能の作品を、深く味わえる見識がある人こそ本当に能が好きな人、と言えるだろう。
