恋慕という姿 | HOODのブログ

恋慕という姿

HOODのブログ-101225_0925~01.jpg

能の構成で代表的な夢幻能は現世に幽霊や魂魄が現れて、ワキ僧などに生前の思いを語ります。

ところが、能『楊貴妃』は現世の道士が(一種の超能力者…ハリー何とか、と同じ能力)冥界に行く、という現在進行形の不思議な演出なんですね。
あの世を往来する道
士は、いわばゲゲゲの鬼太郎的存在。

私が、この能を面白いと感じるのは、最後に彼女が道士にひざまづき見送る姿です。なぜ、彼女は道士に最敬礼したのか。
そのあたりに、能の特有の『艶』を感じます。言葉や型ではない、体感的な美しさ…現実でも『恋慕』というものは、この能みたいに表現した方が成功するのだ…と撮影後に思いました。