道成寺 | HOODのブログ

道成寺

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『増女』江戸中期の作…そして、鬼女なる般若の目。

初めて乱拍子の稽古風景を撮影した。脚と腰の重心移動が興味深い。次第に切迫する様子は道成寺ならではの舞台世界だと思う。

鐘が落ちるまで止めようもない怒濤の流れ、水嵩高い日高川のように報われぬ女の執心は、ひたすら鐘に向かって奔流する。

能『道成寺』の凄みというものは止めたくても、始まったら誰も引き返せない…そういう能だと思う。
誰かが、何か一つ誤っただけで失敗する…その際どさも観客においては、能と役者を見る楽しみなのだ。
ある意味で、全員が(観客も含めて)その場所において、互いに完璧であって完成する能の一つだと感じる。