扇子は末永く使う
何故、扇子について触れたか。
そんな古道具の扇子が有り難いものか…と思う方もいるはずだ。
学生時代、扇はかなり高額な物だった。それは社会人になった今でも変わりなく高価な道具なのだ。
だから、大切に扱うし、ボロボロになるまで使う…私も両端の紙が切れ、張り合わせて…また貼る。その繰り返しで使い続けるのが、道具に対する礼儀であると思う。
そういう訳で、学生能楽サークルなど似たような状況で、扇は擦り切れるまで使うのが当たり前だった。
しかも、舞台用扇ともなると、さらに学生には高価で…たまに骨董屋とか古物市で扇があると、粘りつつ値段交渉などしたものだ。
しかし、使用中に扇の要が割れてしまう事が頻発した。その修理が必要になるが、専門店の修理代も安くはない。先輩方も様々に試していたようだったが、どれも上手くゆかず、どの大学のサークルにも要のない扇が転がっていた。
そんな時、私に閃きが降りてきて、修理法を思いついたのだ。
それはボールペンの芯を適当に切って要の穴に差し込み、両端をライターで炙って丸く溶かして出来上がり…。
これは、瞬く間に各弟子を通じて。玄人世界まで広まったようで、おそらく私が最初の発案者だと思う。
ボールペンの芯は柔らかい樹脂で出来ていて、力が加わる要には最適だった。
今でも、ボールペン修理法は有効なようで、少しうれしい。
