襟止め
いわゆる『襟止め』。
能でも、仕舞を舞う場合などに使用。着崩れを防ぐ意味でも必要な用具。
そして、玄人素人を問わず似たような感想を持ち合わせる用具である。
そう…『他人に貸すと、返ってこない。』
高価な物ではないし、小さい上に舞台後の片づけの忙しさで
、貸した事をわすれてしまう。
タチが悪いのは、借りた相手が自分が終わった後に、つい別の人に貸してしまう事だ。
すると…もう持ち主は誰っ?という事になり消えて行くわけだ。
まぁ、戻っては来ない。
あまりの回収率の悪さに、社中の会などでも主催した師匠が、襟止めだけは貸し出すのを止めた方は少なくない。
自分の舞台が終わり、ヤレヤレ何とか無事に済んだ…と借り物を付けたまま紋付きを畳んでしまう人が多いのか…おそらく女性の場合だと、こういう事例は少ないはずだ。
まず、『あの人が付けた襟止めなんてイヤだわ…なんで、後の私が使わなきゃいけないのよぅ…』で、自分のを購入して愛用するだろうし、他人へ絶対に貸さないし、また借りないだろう。
嫁は、姑が着た着物や衣服を、姑が他界した後に最初一番に捨てる…とは、よく耳にする。
そういう『ケガレ』が、男の道具には少ないからなのか。
他人の襟止めを、気にもせず使って、忘れて返さない…そういう事なのだろうか。
一言で表現するならば、『総じて男性はだらしない』という証左かも知れない。
