七色いんこ | HOODのブログ

七色いんこ

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数名の若者たちが集まっている部屋。
青年1『おいっ、俺たちも劇団作ろうぜ!』
青年2『俺は参考書買ってきた…』

全員が読み出した『ガラスの仮面』…。

この様なショートコントを以前にテレビで見た事がある。


同様に演劇を扱った劇画が手塚マンガにもある。
それが今回、手にした『七色いんこ』。

『七色いんこ』は、古典劇から近現代作品に至るまでの演劇原作より、劇画テーマや主題を選んで描いている。
最終的には、何故かサスペンス的な終わり方で多少の不満も残るが、演劇を軸にした作品としては取り上げ方も面白い。

そんな中、思わず私が(ふ~ん…!)と感じた台詞があった。

七色いんこ『…役者がいろんな役をやるのはうまい演技をするのが目的じゃない、その役の人間の性格や心理を深く研究するためさ…』…『医者が患者の容態や病状を見て判断するのとまったく同じだ…』
以上『七色インコ』より。

なかなかに、示唆的で面白い言葉だと思う。
能の手法しか知らない私から見ると、師匠から学んだ型を通じて解釈した役は基本的に経験してきたが、自ら解釈を経て成立した型は未体験なのだな…と感じたからだ。

おそらく素人が解釈して能の型を作ることはないし、また師匠を通じてよりの解釈以外に舞台で成立するのか…?
という事もある。

しかし、師匠から学ぶだけでは成立不可能な世界も、また能であるはずだ…と思うのだ。
そこで『様々な役を演じる』という事を消化してゆく意味とは何か、と考えると(ふ~ん)なのであった。