先日の夜半。
最終の上り上野行き特急に乗り帰京した。
雨の降り出しそうな闇の中、列車は疾走する。
遠くに街灯の列が見えたと思えば、ポツンと一軒家の明かりが浮かぶ。
長い鉄橋を渡る時、暗闇の川縁に仄かな灯りが一つ揺れているのが一瞬見えた。
『誰かが、夜釣りをしている…』
遠くに救急車の赤灯が走り去ってゆく…急患の事態、その緊迫感が闇に痛みとなって明滅する。
そんな状況かと思えば、線路脇の広場で花火を楽しむ親子が見えた。
この間、わずかに数分の出来事。
人の生涯や営みも、高速で通り過ぎると、瞬時のドラマに過ぎないのだ…と、闇に流れる景色を眺めながら実感する。