朝顔の咲く景色 | HOODのブログ

朝顔の咲く景色

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常よりも、やがてまどろまず、明かし給へるあしたに、霧の籬より、花の色面白く見え渡る中に、『朝顔』の、はかなげにて交わりたるを、物より殊に、目とまる心地し給ふ。
『源氏物語、宿木』

書棚を整理していたところ『源氏物語の植物』広川勝美著 笠間選書…という本が出てきた。

朝顔…と引くと、例文があって、なかなかに表現は、艶やかな、というか…エロい。さすが、平安ベストセラーである。

…やがて、まどろまず明かし給へるあしたに…この一章節だけで、夏の逢瀬の朝が見えてくる。

夏の恋人同士の閨、そのシーンに朝顔を比喩して描写するとは…この本を活用出来なかった学生時代が、甚だ恨めしい。

このシーンの主人公は、薫か匂宮なのか…それくらいは調べてから書け!と言われそうだが、夏のけだるい朝の気配…その庭に露を残した朝顔が見えて…同じ視界に仄かな女の顔が見える…その擬人法が素敵である。
よく考えると、いくら女性経験を積み上げても、これは男性には感じない表現だ。
つまり…作者(紫式部)がみたのは、仄かに見えるのは男の横顔なのだろうか…と、思ったりする。
後に、能の小面が婉然としながら、視点が定まらない表情というのも、この源氏物語の女性達を表現するには、必須の演出だったのか…という思いもよぎる。