愛猫チロと作家 | HOODのブログ

愛猫チロと作家

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久しぶりに購入。
『アサヒカメラ』
2010年6月号


最近の写真雑誌は、似たような記事の羅列…私の使用機材は銀塩のため、未だデジタル新製品情報に踊る気分はない。

しかし、写真雑誌において表紙の力は大切である。
今月号表紙は写真を趣味、仕事とするならば、荒木経惟の作品である…と認識できる。

…氏の愛猫チロが亡くなった遺影と追憶作を編集している。
つまるところ、荒木経惟の作品とは両親、妻陽子、愛猫チロと生前から死後を辿る道…私小説としての旅なのである。

人には、必ず『去らぬ別れ』が訪れる。
その別れを、愛する事、大切に思う事が、何より続いて行く互いの心の旅になると思いたい。

今回の掲載作品は、中判カメラで撮影されたものだが…作家にとってカメラへの撞着など微塵も見せてはいない。
まるでコンパクトカメラで撮影したかのようだが…そこには揺るぎない被写体への感覚がある。

…一見、変哲もないスナップ写真に見えるが、実はかなり厳しい洞察が働いているのだ。

掲載された作品は妻陽子への手紙なのだ…と思う。

さて…来月はヌード特集らしい。
人の裸というものとは…老若男女、全ての壁や建前を脱ぎさるくらい…新たに再構築するか、作品への哲学を編集者が持たない特集など陳腐だ。
もし、ヌード作品を理解する能力がまだ残っているなら…頼む。

止めてくれ。