頼政の母 | HOODのブログ

頼政の母

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『頼政と鵺退治』
平家物語には、頼政による鵺退治の逸話がある。
かなり特異であり、寓話性に富んだ話と言える。
もちろん、鵺などという妖怪が実在する訳もないし、彼が弓で射たのは『ムササビやイタチ』の類だった…という話でもない。

鵺に関しては、いつか改めて述べたいと思う。そのくらい私は『鵺』が好きである。この場合…好きというのは謡曲『鵺』に対してだ。

さて、頼政と鵺に関しては興味深い昔話が四国方面に残されている。

『母の願い』
都で朝廷に仕えた源頼政であったが、思うように出世が望めない。不遇な暮らしをしていると聞いた頼政の生母は、神仏に頼政の武勲の願をかけた。
そして、自らの一念で『鵺』に変化して御所を襲い始める。

何者の矢も受け付けない『鵺』に困り果てた人々は頼政を呼び、最後の頼みとして『鵺退治』を命じた。
さらに頼政に、神仏からのお告げが下り、『鵺退治の矢』を受ける。

ある三日月の晩…東三条の方面から出現した『鵺』に頼政は、まさか母の化身とも知らずに矢を放ち、見事射止める。その功績によって彼は殿上を許された。
生母の願いは、我が身に変えて自らを打たせてでも、息子の出世を果たしたい…その一心であり、『鵺』は、母の願いが現れた人の心…その化身であったのだ。

梗概を要約すると以上のような展開。
この昔話は、巧みに頼政と鵺を相似形へ導いて、上手い解釈をしていると思う。