ある研究者…未完の能
肌寒く、雨が降りそぶる夜になりました。
何となしに、沖縄料理居酒屋で一人飲んでます。
浅学な私ですが、心よりの能研究者多田富雄教授のご冥福をお祈りいたします。
教授の著書は幾つか手元にあります。
実は、多田教授の述べる長崎と被爆に対しての見解に、私は異論を持ったまま新作能『長崎の聖母』を見ておりました。
さりながら、『長崎の聖母』や沖縄戦を能に書き下ろした『沖縄残月記』への情熱や気骨は他に類もなく、異質な材料を組み合わせて古典劇として作り上げた成果は、後代に繋がって欲しいと思います。
昨年の夏、能『沖縄残月記』初演撮影に立ち会えたのが、多田富雄作品との完結となってしまいました。
現代人が抱える諸問題を、能という演劇に問いかけて、新たに作品化した多田作品を見ることが出来なくなったのが、何より残念でなりません。
