敦盛…夢の中 | HOODのブログ

敦盛…夢の中

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先日、撮影した能『敦盛』

修羅能でありながら、舞事が入り優美な感覚の能に仕上がった敦盛は、平家物語を初めとして幾つかの作品や物語の典拠や題材を提供しています。
信長が舞ったという『今若舞…こうわかまい』の敦盛も同様です。

他にも平家物語の主人公が登場する話は山ほどありますが、なぜ敦盛は後世の人々に受け入れられたのでしょうか。

そこで、敦盛の影であり、その分身のように切り離せないのが熊谷直実の存在です。

この初老の元武士が高僧法然の下で出家して、旅の僧になったという設定が敦盛を引き立てます。
この二人には『夢の世』という言葉が似合います。若くして戦死した敦盛と、野心半ばで世捨て人になった直実。

その二人の心が、相似形となって一つの世界観を作り上げる。それは、少し耽美な美しさを能『敦盛』に与えています。

平家方の陣で、時に笛を奏でたり、舞の手を取る…その敦盛の美しさを眺める平家武士達、片や対陣側で耳を傾けた源氏方の武士。
戦場という生死の海において、ほころんだ『花』が平敦盛であった…そして、様々な情愛が絡む二人の存在が、芝居や物語の発展を築く拠り所になったんですね。
かの信長も…若々しい青年武将として自己演出するために、今若舞の敦盛に求めたんだと思います。