老いを否定する…。
自ら死を選んだ文化人と言えば、私世代で衝撃だったのは作家三島由紀夫でした。以後、川端康成、江藤淳、伊丹十三など、若いときから才能を発揮しメディアから注目され続けてきた彼ら、共通するのはある意味で「格好良さ」を自ら課していた姿でした。ナルシスト…少し意味が異なりますが、土臭い鈍さとは無縁な意匠の所有者だったと思います。ゆえに、年齢に関係なく才能が老化し鈍さを自覚した時に余命を絶ってしまう。それは老いる事を拒絶するデザインであったのか…。
しかし、能や歌舞伎など日本の古典芸能は『老境』こそ貴重な要因であり、芸域の仕上げとするあり方と比較すると、「老い」が人生まで否定しまったとするなら惜しい事だと思います。
