ロゴス…なもの。 | HOODのブログ

ロゴス…なもの。

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零時を回った深夜に帰宅しました。
少し飲んで帰ろうと思って店に寄ってみたのですが、うまく酔えなかったみたいです。

写メは観客が去った矢来能楽堂。
あの賑わいが、潮のように引いて誰もいなくなる。能は宇宙が弾けて繁栄し、やがて収束して終わりを迎えるのに似ています。一般の劇場や小屋と違い、能楽舞台は舞台そのものに存在性があるからだ、と思います。
祭祀的空間に準ずると考えられている場所なのです。
私は『ロゴス』という言葉を思い浮かべました。漢字で書けば『回』でしょうか。
無の空間から言葉と音楽が生まれ、人々のドラマが演じられる。やがて、言葉と音楽が閉じられて静寂が訪れる。
この静寂に私は魅力を感じます。再び始動を迎えるまでの静謐な空間。

能作者世阿彌の説く『序・破・急』が幾重にも連続して重なりあう。
おおげさに言えば、能が終わり、客が去った場所の静寂に宇宙の終焉を思う…。けっして見ることがない宇宙の再生を想像します。
あるいは、客が去った舞台が、波を打つ鏡のような水面に見える時もあります。

再生を待つ…そこに『ロゴス』の真相を思うんです。