結婚記念日に温泉に行ったときのこと。
とてもとても広い温泉旅館で、3館連なっていて、
どの館の温泉にも入れるのです。
私は娘と張り切って、一番遠くのバラ風呂を目指しました。
娘が以前バラ風呂に入ったのを覚えていて、
すごく楽しみにしていたのでね。
でも、バラ風呂と思って入った温泉は「ヒバ風呂」。
ヒバが布の袋に入れられて、プカプカ浮いている、
バラ風呂を想定して入ると、非常に地味なもの。
あれ?あれれ?
「バラ風呂じゃなかったね。ママ間違ったかもしれない。」
それからもう一つ。
部屋番号を確認してこなかったことに気付いてしまった、
スーパー方向音痴な私。
携帯も持っていない。
ヤバイな、ヤバイな、部屋に戻れないかもしれない。
私の気持ちとしては、2つもミスが重なった感じでした。
でも、娘はヒバ風呂を楽しみ、
帰り道にバラ風呂探しを楽しみ、
エレベーターを降りてから、記憶を頼りに、
「こっちな気がする。多分ここ。
どうしよう、小さい声で呼んでみようか。」
と、ブツブツつぶやきながら進む母を楽しんでいたのです。
なーんにも、問題はなく、
むしろ、楽しみは増した気がします。
その後、無事、バラ風呂にリベンジし、
エレベーターから部屋に向かう時は、
毎回娘が「こっちだよ。」と道案内してくれました。
今回の件で気付いたことがあります。
私、無意識のうちに、
「娘と一緒の時は私がしっかりしなきゃ。」
ということを握りしめていたなぁということ。
それよりも、
「失敗する姿は見せたくない。」
かもしれません。
でも、今回の失敗母ちゃんを、娘は責めることもなく、
道案内もしてくれる、頼もしい姿を見せてくれました。
失敗も隠さなくていい。
失敗しているママ、ダメダメなママ、
でも、なんか楽しそうなママ、
そんな姿が見たいのかもしれません。
温泉という、非日常もあったかもしれないけれど、
思った通りにならなくても、楽しむ視点を娘も私も持っていた、
ということが、とっても嬉しかったのです。