Darknight・Prom NTRC特撮軍団長・ヤラセロウ大元帥のブログ

自民党総裁選に立候補した「永田町の吟遊詩人」小泉進次郎が、日毎に鍍金が剥がれ、馬脚を現し、ボロを出し、ネット界隈で罵詈雑言を浴びせられているが、最近では当選してから15年の間に、只の1本も「議員立法」を成立させていないことをネタにされ、更なる顰蹙を買っている。

 

例によって例の如く俄勉強したところ、「議員立法」とは、立法府に所属する議員の発議により成立した法律の俗称で、日本の国会では、慣行として内閣提出の法律案を優先して審議する傾向にあり、議員の発議による法案は、提出されても殆ど審議されることなく廃案または継続審議となることから、「国会議員による立法」を、特に「議員立法」と呼ぶ様になった。因みに過去最多の「議員立法」成立数は、田中角栄の22本である。

 

国会法56条によると、「議員立法」は衆議院では20名以上、参議院では10名以上の賛成がないと提出できず、予算を伴う場合はそれぞれ50名、20名以上の賛成を要するが、これは成立の見込がないのに少数の国会議員が露骨な地元利益還元を目標とする「お土産法案」提出の乱発を防止するためだとか。更に衆議院に於いては、各「会派」が議院事務局に、「会派」の承認の無い「議員立法」を受理しないよう申し入れ、事務局がこれに従っているため、議員の所属する「会派」が機関承認していない法案の発議は受理していない。

 

自民党衆院議員・山下貴司が、「第17回岡山行政法実務研究会」での講演で述べたところに依ると、政府与党は内閣提出法案の成立を優先させるため、「議員立法」は内閣提出法案の審議日程に大きく影響しないよう、原則「全会一致」になるよう根回しをせねばならず、与野党間の合意形成の努力が求められる。与党案として国会審議に耐えられる法案作成のため、法制局・関係省庁・党内議員に対する「理論武装」も必要で、自民党の場合、作成された法案は部会・調査会にかけて部会長・調査会長一任を取り付けて政調審議会・総務会に通すのだが、これ等の会議は慣例上「全会一致」が原則で、一人でも反対すればそれまでである。漸く自民党内の手続を終えた法案は、連立パートナーの「カルト教団政党」との与野党制作責任者会議に諮るのだが、実際には自民党の総務会を通す前に、「カルト教団政党」とは擦り合わせを行う。すったもんだを経て国会審議入りとなるのだが、野党がお得意の「審議拒否」をやらかして、内閣提出法案の可決・成立に支障を来さぬよう、相手を選んで根回しをし、やっとこさ成立にこぎつける。この話を聞いただけでも、「議員立法」成立が如何に過酷な作業で、議員の資質・能力・人望・職業意識etcが高いレベルで要求されるかが窺え、小泉進次郎みたいな乳母日傘のお蚕ぐるみで育った、身の程知らず・苦労知らず・世間知らず・常識知らずのスカポンタヌキには、到底不可能だということが解る。

 

田中角栄が「議員立法」成立に尽力し、多数の法案を成立させたことは余り知られていないとのことだが、だとすれば田中角栄が、次の言葉を残したこともまた然りなのだろうか?

 

「自らの手で立法することにより、政治や政策の方向性を示すことこそ、政治家本来の姿だ。政策を作れんヤツは政治家を辞めた方がいい」