2016年 立教大学
今年も源氏物語が出ましたね^^
今回は「薄雲」の段のようです。
解答
(A) 4
(B) 2
(C) 4
(D) (イ) 2 (ロ)1
(E) 退出なさることもできなさらず
別解 退出なさることもおできにならず
(F) 3
(G) 5
(H) 2
(I) 5
(J) 3
(K) 大臣
現代語訳
帝は、夢のように悲しく恐ろしい事を聞きあそばれて、色々とお悩みあそばされる。亡き桐壺院の御事をお思い申しても気に掛かることであるし、源氏の大臣がこうして臣下として仕えていられるのも、おいたわしく畏れ多いことであったと、あれこれお思い悩んで、日の高くなるまで夜の御殿から出御あそばれぬので、しかじかと聞きなさって、大臣もはっとして参上なさったのを(帝は)御覧になさっても、いよいよ堪え難いお気持ちになられて、御涙を零されてしまったのを、総じて亡き桐壺の御事を涙の乾く時もないほど哀しんでいられる今日この頃だからなのであろうと、(源氏は)見たてられなさった。その日、式部卿の親王が亡くなられた由を奏上すると、(帝は)いよいよ世の中が不安定である事をお嘆きになられた。こうした異常な事件の続く折柄なので、大臣は二条の院にも帰らされずに、帝のお側につきっきりでいられる。
しんみりとした(源氏との)御物語の機会に、「私の寿命も終わりなのでしょうか、もの心細く身体の具合もはかばかしくありませんし、世情もこのように騒ぎが続きますので、何かにつけ気の急く思いがします。故宮の思われる所によって、世間のことも思い頼りになり、母宮亡き今は、気楽な身分にでもなって暮らしたいと思います」とご相談申し上げなさる。「とんでもないお考えです。世が平穏でないのは、必ずしも政治が正しいのか間違っているかによると云うものでも御座いません。すぐれた治世にかえって、不祥事も色々起こったもので御座いました。聖代の帝の治世にも、道理に合わぬ凶事が出来した例は、中国にも御座いました。わが国もさようで御座います。まして、亡くなって不思議のない老齢の人々が、その時が来て亡くなったのを、思い嘆くべきことでは御座いません」など、全て多くのことを聞きなさった。その一端を御話するのも、とても気の引けることです。
(帝が)いつもより黒い喪服の御身なりに、地味にしていられる御容貌が、源氏に生き写しだ。帝も、今までお鏡を見てもそうお思いのことであったが、僧都の密奏をお聞きあそばされて以来は、再びしげしげと(源氏を)見なされながら、格別今までより一層胸を打たれるお思いなので、どうしてかこの僧都の密奏のことをそれとなく申し上げたいとお思いになるが、なんと言ってもやはり源氏がおもはゆくお思いになるに違いないことなので、お年若のこととて気が引けて、急に申し上げかねていらっしゃるので、ただ当たり障りのない世間話を、いつもより一層親しげに聞かせなさる。(帝が)へりくだった態度をお取りになって、平生とはまるでご様子が違うのを、人並みすぐれた源氏のお目には、いぶかしく見なさったが、本当にこのようにはっきりと(帝が)お聞きになろうとは思わなかった。
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