治療室日記では、日々の鍼灸治療のなかで感じたことや、
印象的だった患者さんのケースをご紹介しています。
同じようなお悩みを抱えている方に、少しでもヒントになりますように。
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今回は、長年便秘薬が手放せなかった妊活中の方のお話です。
まだ治療は始まったばかりですが、今後の変化に期待しつつ、
まずは腸内環境から整えるアプローチを進めています。
🔹 妊活歴
- 不妊治療歴:5年(46歳)
- 転院歴:3回、胚移植:9回(すべて着床せず)
- AMH:0.03
- 最近の採卵では胚盤胞まで育たず
🔸 体の状態とこれまでの様子
若い頃からの頑固な便秘で、刺激性下剤を毎日使用されていました。
体格はスリムなのに、お腹を触ると硬く、ガスがたまり膨張したような感触。
便が滞ることで、リンパの流れや代謝も滞っている印象でした。
- 腸の働きが長年の下剤使用により弱り、虚血気味
- 全体的には冷えていない「実証タイプ」
- 皮膚も乾燥気味で、かかとがひび割れている
👉 刺激性下剤は腸を冷やし、長期使用で病のもとになることもあります
妊娠うんぬんに関わらず、将来的な健康のためにも、手放せるようサポートしていきたいと考えました。
🪡 鍼灸治療
- 食いしばりが強かったため、まずは全身をゆるめ、自律神経を整える施術から
- 骨盤周囲・内臓を温める鍼灸
- お腹の硬さを見ながら、ツボを選択
- 灸頭鍼や温灸を併用し、深部まで温めながらアプローチ
🍠 生活指導
◎ 下剤とのつき合い方
急にやめると腸が動かず、苦しさが出やすいため、1日おきに服用しながら様子を見ることに。
◎ 食養生:水溶性食物繊維の摂取
便秘改善には個人差がありますが、経験上「芋」で通じが良くなる方が多いです。
◎ よく噛むこと
📝 治療経過メモ
- 1週目:下剤を減らしたことで、お腹が張ってしまう
- いったん下剤を元に戻し、芋の摂取量を増やす
→ すると下剤なしで毎日排便が!
さらに…
転院先のクリニックにて、採卵1回目で5日目胚盤胞が1個凍結!
※採卵時点では便通改善前でしたが、
ご本人も、久しぶりの良好胚盤胞と便通改善に、とても喜ばれていました。
🌿 日々のセルフケア
- 腹部マッサージ
- お灸
- 毎朝の散歩(以前から実行)
これらを継続する中で、かかとの乾燥も改善傾向に。
東洋医学では、腸と皮膚は密接な関係があると考えられています。
体の巡りを整えることの大切さを改めて感じました。
お腹の硬さはまだありますが、以前より治療時の反応が良くなってきました。
🔍 妊活と「腸」の深い関係
腸は子宮のすぐ隣にある臓器で、
子宮内にも腸内と同じような細菌叢(子宮内フローラ)が存在しています。
また、女性ホルモン(エストロゲン)は腸肝循環で代謝されたり、
体のあらゆる粘膜は「粘膜免疫ネットワーク」でつながっているので、腸内環境は全身に影響します。
腸を整えることは妊活に限らず、更年期や様々な疾患を予防し、
全身のバランスを取ることに繋がっていくのです。
🌱 最後に
今回のケースはほんの一例ですが、
妊活や体質改善は「まず自分の体をよく知ること」から始まります。
自分でも気づかない体の滞りを、
丁寧な触診と鍼灸治療を通じて見つけていきます。
一緒に“巡りの良い体”をつくっていきましょう!
☘️ 鍼灸治療にご興味のある方へ
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あなたの「本来の力」を引き出すサポートができれば幸いです。
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