きっかけは以下のまとめですが、溜まっている想いがあるので書き留めておきます。
ニコニ広告、同じ有名曲ばかり繰り返し流れる 再生数100万未満に限定した方が生産性があって良いんじゃない?
まず、NSENの話から。ニコニコ動画に昔あったサービスで好きな曲をリクエストできる、そんな場があったんです。詳しい話はこちらから。私が見始めた頃は500人ほどその場にいたような気がします。自分の曲もリクエストできた数少ない効果的な(?)宣伝の場でもあったのですが、ニコニコ動画全体の刷新のため、技術的な理由で2017年にサービス終了。終了時点でサイトを見ていたのは200人台後半ぐらい?よく覚えていないです。
そして、その後継となるサービス(先のまとめ内の「Nsen(2018~2026)」)が出来て、同時に見ていたのは多くて20人程度?それでもしばらくの間自作の曲をリクエストして宣伝に勤しんでいたのですが、少し経ったら驚くべきことに一定の再生回数がないとリクエストできない仕様(注:リンク先の下の方)になっていたのです。当初は一部の時間帯から、それがやがて、全部の時間帯に。本当に嫌な思いがしたのですよね。
その……何?もう宣伝できんの?人気がないと存在を許されんの?そりゃ、人を集めたくて人気のある曲を並べる心情はわかるけど、そういう場になるんだったら、私はここに来る必要性は感じないなあ。
そういうわけでそこにはほぼ行かなくなりました。なお、この文章を書くために調べていて知ったのですが、そのNSENも今年、2026年の2月に終了したとのこと。
ついでに書くと、昔、NHKで「エレうた!」というラジオ番組があり、ネットで出回る曲のリクエストを受け付けていたとのことで、もしかしたらいい宣伝の場になっていたのかもしれない。私は聴いたことがないのでこれ以上書けませんが。今は、そのような場……誰もが自作を含め世間に知られていなくても好きな曲のリクエストができて、かつ皆が集まるほど周知された固定的な場があるか、言い換えれば、知名度や実績がなくても成り上がれる機会が生じる場があるか懸念してます。それこそが文化の効率的な伝播のために必要だからです。
そして、先のNSENのように人気のあったものが人気があったが故に取り上げられる現象は、昔から世間一般にもちょくちょく見掛けていた気がします。
この際書きたいことを書くなら、野球関連になってしまうのですが、朝の民放のワイドショーで日ハムの新庄選手が当時実力のあった同チームの小笠原選手(後に巨人に移籍)よりも取り上げられていたり、斎藤佑樹選手が大学のドラフト時に大きく扱われていたり(その時のドラフトではもっと好成績を挙げていた選手がいたはず。ちなみにプロ10年(2011~2021)での斎藤選手の成績は15勝26敗0セーブ)、故・長嶋監督が巨人の監督に就任したときに、夜遅いニュース番組でその背番号は何番かという話題に関してウインドブレーカーを脱ぐだの脱がないだのといったもどかしい映像を流していたりしたことを思い出します。長嶋監督の件については、そんな映像を流すぐらいなら若手選手の紹介でもしたほうがいいのにと思っていました。
つまり、人気のあるものを取り上げるということは、要は思い出話、昔話をしているのに過ぎないのですね。「懐かしの」と銘打たれた番組がわかりやすいのですが、そうでなくても、先のニコニコ動画についても、あるいは野球関連の話題についても、過去を再生産しているだけに過ぎない気がします。
過去に人気のあったものを、それ故にまた取り上げて気を惹き、人を集めようとするのは正しい。他に有力な案もないだろうから仕方がないともいえる。しかし、そればかりだとどうにもつまらない。今の世の中全体の娯楽がつまらなく感じる。音楽について言うなら、私の好みの音楽が1980年代後半から1990年代初頭のバンドブームの頃の、アルバムには収録されているがシングルカットされてない曲やカラオケにない曲(カラオケにはそんなバンドやミュージシャンそのものがない場合もある)だから、そう強く感じるのかもしれないのですが。
今、世間で知られていないそのバンドブームの頃の曲で、受け入れられるかどうか一度聴かせてみたい曲が沢山ある。そして今は、音楽に限らず、一度きちんと紹介したら広く受け入れられる作品が全て完璧に多数に触れている状況になっているとは思えない。だから、おそらく私と同じ想いを抱き、紹介したい今や昔の人や作品を抱えている人は沢山いると思われる。自分の作品にしろ他人の作品にしろ、それが広く受け入れられることを信じ、一度は広く紹介してみたい、そういう願いを持っている人が。
昔話の需要があっても、そればかりだときちんと紹介したら人気がでる人や作品を世に出るのを封じ込め、人気がある人や作品が増えづらくなり、人々が幾分幸せになる機会が減る弊害が生じる。もしかしたら、そんな昔話ばかりしているようなメディアは、能力その他の理由で新しいものや新しくなくても世間に知られていないものを扱えず、一定の収入は確保できそうな昔話しかできないほど切羽詰まっているのかもしれない。自分もこれ以上のことは言えない。先に挙げたバンドブームの頃の曲を紹介できるかと言われれば、時間もなく他にやりたいことが(休日にのんびり過ごすことも当然含めて)多々あり、そちらに手を回すのは困難だと言うしかない。
これ以降は、どう考えてもお願いになってしまう。世間への拡散力があって余力のある方々へ。今の時点で大多数の人が知らなくても、自分の好きなものを、できれば他の人の好きなものも世の中に広めていただければと思う。もしかしたら、その紹介によって今生きている人の心に残り、そして多くの人に受け入れられるぐらい人気が出るかもしれない。そうなったら、これから生まれてくる人たちの心にも残りやすくなるだろう。これこそが文化的財産を増やすことであり、精神面で豊かになることにつながる。
今の日本については、人には今まで接したことのないものに出会う楽しみや喜びがあるのに対して、その欲求に対する情報の供給が足りていない気がします。そのような人や作品に出会えることを、出会える場を、通常考えられている以上に人々は欲している……これはそのような場が生じた後でしか検証できないのですが、それでもそのような場をつくる働きがなければ後々好きになるような人や作品に出会う可能性もないので、未知の人や作品への出会いの場に対する欲求や需要、そして期待は「ある」と信じて突き進んでいただけるのなら、有難いと思う次第です。
【宣伝です】趣味で作曲した作品の動画などをYoutubeで公開してます。チャンネル登録していただけたらありがたいです。ニコニコ動画にも作品があります。