母方のおばあちゃんは私が物心ついた頃には入院をしていた。一緒に遊んだことも膝の上によく乗っていたことも鮮明に覚えている。
自営業のおじいちゃんに隠れて、へそくりをいろんなところに貯めては娘たちとよく外食をしていたという面白くて優しいおばあちゃんだ。
おばあちゃんはYves Saint Laurentが好きだったのよと母は云う。お財布を買ったことがあるらしい。そのお財布は今、母の元にある。
母はYves Saint Laurentを大切に思っていた。
いつも父の仕事で位置が上がる度に格好をさりげなくいいものに変えていって、商談相手に合ったものを優先して買い、自分のものは元々ミニマリストな母であったが、ある日、バッグを欲しいと父に話した。父は嬉しそうにブランドを聞くと、母はどこか照れくさそうにYves Saint Laurentのバッグと答えた。
すぐアウトレットに家族でお出かけをした。
母は元々おしゃれで、センスが良いので、お出かけをする今でも上品にぶら下げている。
私はYves Saint Laurentが大事なブランドだと思うようになった。
1番は祖母から母へ、母から子へと魅了し、なかなか買えないハイブランドではあるけれど、母は買ったバッグをいずれは私にと思っている。恐れ多かった。おばあちゃんやお母さんのように上品に身につけたいから、私が似合うか自信がない。しかし、最近アクセサリーを断捨離をした。子供の頃から使っていた100円300円代から高くて1000円のアクセサリーをだ。
そしてもう20代半ばになる。ハイブランドを持っても良い年だと母に言われ、たくさんのブランドからChristian Dior、Burberry、miumiuと憧れが詰まったブランドたちを挙げたが、おばあちゃんが元気だったら私と話が合うだろうと母は言っていた。家族だから好みも似ているのかもしれない。大人になった姿をお見舞いでしか見せれなくて、Yves Saint Laurentという宝物を残して。
私はYves Saint Laurentのロゴの繊細さが好きだった。とても上品なものだと。
今は精神的に働けるかわからない状態でも、欲しいものをwishlistを上げていつか買える時までとノートに写真を印刷して、眺めるために残しておこう。受け継ぎたいものがあるということ自体幸せなことだと思った。