遠距離は難しいのだろうか。

経験したことない事を考える。

今年から社会人になる子に落ちてしまった。

笑顔が素敵だった。精神年齢が大人に感じてかっこよかった。

カフェ巡りをした。甘党だという事を知れた。そう云えば最近バレンタインだった。

色んなマッチングアプリに出入りを繰り返して、やっとこの人だと思った。アプリで実際に会うのは彼で2人目だ。

彼は恋人募集、遊び相手、趣味友達という人を探していた。

私は恋人募集、交際、恋活と設定。

一つしか当てはまらない募集に期待をしすぎた。女の子扱いをしてくれて、障害のことだって詳しく聞いてくれた、期待をしすぎていた。

夜は明日の研修がある前に同僚と過ごすことになって3時間、同じ時間を隣で過ごした。長かったのか短かったのか彼の言葉で我に帰ることになる。

もうこんな人現れないかも知れない。そう思い、

「好きです」

そう伝えた。彼は幼い笑顔で照れくさそうにどこか困って見えて、

「考えたいです」

考えてはもらえるのだと安易に頷く。

改札まで行って私は本屋に寄りますと話し、彼がここで、と云う彼は手を振ってくれたけれど、可愛いという感情よりも彼が最後ににげるや逃げたかったのか簡単に放った言葉に私は顔が固まった。

「きっといい人いますよ」

そういう意味だよね。俺じゃなくて他の人にってことだよね。

小さく精一杯可愛く手を振って、姿を見送ることができず、その場を離れるように歩き出した。構内はたくさんの人とすれ違い、見られないようにマスクをして、溢れそうに苦しくなった胸を握ると足を止めて人に見えないように堪えきれなかった大量の涙を手で、泣いちゃだめ!と強く目を何度も拭う。

彼のことを考えないように冷たい空気の中、アイスを頬張る。

思い出さないように、強迫の確認で不審者に見えてこちらまで聞こえてくるカップルの声。

なぜか彼と再会すると決まっていないのに自分磨きをしなきゃと入った化粧品売り場で、女の子が男の子にこれ買って〜ってお願いして、その密着に男の子は満更でもなかった。彼らの知らない人に対する態度には後からじんわり怒りが込み上がってきて、私は逃げるように店を出て、家に帰ることにした。カップルはこう言った。

なにあの動き〜、気持ち悪いんだけど。絶対彼氏いなさそう

ついさっきと重なり、まるでドラマの流れのようにエキストラの1人の身勝手な逃亡に監督はカットをかけるだろう。ヒーローとヒロインの恋人やくのカップルは画面から見たらなにを話しているかわからない。ただ親密そうに見える、格好だけは憧れてしまった。この2人はどうやって好きと好きが上手に重なったのだろうかと。



翌朝、妄想で楽しんだ。朝ごはんを作る。

あの子は卵は甘い派なのだろうか、朝ごはんはパン派だろうかと、全然いやずっとあの人のことを思っている。