太平洋戦争中の日本の大本営発表は大嘘、大ボラの権化のように言われている。確かにミッドウエイ海戦以降、特に昭和19年以降の発表は誇大戦果や希望的戦果が重なってウソで塗りかためたような発表ばかりになってしまった。これも戦意を低下させないためにという理由もあったのだろうが、あまりにも現実離れした発表は却って逆効果の場合もある。それでは米国の発表は正しかったのかというと米国もけっこう修正した数を発表していたそうだ。
戦争後半になると米軍側の被害は総じて少なかったが、航空機の被害などは機体が爆発して墜落したのを複数が目撃しているような状況でないと「被撃墜」とは認めず「原因不明」として処理していたそうだ。だから戦争後半の航空戦の戦果について米軍側の発表を元にして「日本はこんなに誇大に戦果を水増ししていた」なんていうことを言うが、確かに空中戦では戦果の誤認はつきもので日米双方ともに誇大な発表があるが、必ずしも米軍側の発表が正しいとも言えないようだ。
米軍側がなぜ被害を過少に発表していたかと言うとやはり士気の問題があったようだ。あまりバタバタ落とされると乗員の士気に影響する。そのために未帰還機でも被撃墜とは言わずに原因不明や事故の可能性として処理していたそうだ。また戦争末期に日本海軍が特攻兵器の回天などを使用して自由潜水艦戦を始めて多大な戦果を挙げたが、米軍側発表と突き合わせると米軍側発表の被害がずいぶん少ないという。これは日本側が誇大戦果を発表したのではなく米軍側が被害を隠していたのだそうだ。防衛省の戦史編纂でも米軍側が発表していない戦果があったことは認めているが、実際にどのくらいの未発表分があるのかは分からないという。
戦争は勝っていても負けていても公にしたくない部分があるのだろう。日本の大本営発表は確かに誇大戦果だったが、だからといって日本側の発表がすべてウソで米軍側が正しいとも言えないようだ。国家間の戦争は政治や選挙も絡むのでたとえ勝っていてもいろいろ手心を加えないといけないなんてこともあるのだろう。また戦争中も選挙制度がしっかり機能していた米国ではあまり戦死が多いと大統領が兵士の親から非難されて選挙に勝てなくなるとか、😁🌀😱☀️👀‼️😅。戦争も勝ち負け以外にも様々苦労があるようだ、😁🌀😱☀️👀‼️😅。