現行ラインナップで唯一、空冷直列4気筒を積むホンダのCB1100シリーズが生産終了することになった。STDは現行型がラストとなり、クラシカルなEXグレードと、スポーティなRSグレードにファイナルエディションを展開する。特製エンブレムなどの装備を奢り、10月から11月末頃まで期間限定受注で販売される見込みだ。ここではその詳細と空冷直4CBヒストリーもお届けしたい。(文/沼尾宏明、写真/HONDA)
1969年のCB750フォアに始まるホンダ空冷直4の歴史が、ついに終焉を迎える――。9月3日、ホンダが公式TwitterやFacebookなどで「CB1100EX」と「CB1100RS」に「ファイナルエディション」が登場することを明らかにした。現行モデルで唯一無二の空冷直4を搭載し、昔ながらの味わいが魅力のCB1100だが、次期排ガス規制強化(平成32年排ガス規制)が迫っており、その去就に注目が集まっていた。2022年10月末までに規制対応しなければ、現行モデルは「販売不可」となってしまうのだ。ホンダの下した決断は、残念ながら「生産終了」。空冷エンジンは、水冷と違って熱を一定に保ちにくく、燃焼温度の増減があるため、排ガスが増加しがち。度重なる規制に対応できず、2000年代にはカワサキのゼファー、ヤマハのXJRシリーズなど多くの空冷直4機が終売に追い込まれた。ホンダの技術をもってすれば、恐らく規制クリアは可能だろうが、コストと販売台数などの兼ね合いを考慮した結果なのだろう。しかし、ひっそりと消えゆくモデルが多い中、有終の美を飾る「ファイナルエディション」が設定されるのは、ホンダからのファンサービスと言えるかも知れない。
情報によると、CB1100EXおよびCB1100RSのファイナルエディションは、10月8日頃発表され、同日から受注開始。受注期間は11月30日までと予想される。台数限定ならプレミア化や争奪戦が起きるところだが、受注期間が長めに設定される上に、期間内に注文すれば問題なく入手できることになりそうだ。まずスポークホイールを採用するEXグレードのファイナルエディションは、キャンディクロモスフィアレッド、ダークネスブラックメタリックの2色を設定すると予想。本誌予想価格は現行モデルと同じ税抜123万9000円。発売日は11月25日と予想したい。前後17インチのキャストホイールを履くスポーティなRSはマットジーンズブルー、マグナレッドの2色となるか。こちらも予想価格は現行型と同じ税抜き127万6000円。発売日はEXより約1か月早い10月28日と予想したい。EX、RSともに、タンクに「ファイナルエディション」を示すエンブレムが貼付される模様だ。
このウワサを裏付けるように、台湾ホンダが日本に先行して「RS」のファイナルエディションを発表した。車体色は本誌想定どおりの2カラー。GB350で採用された「マットジーンズブルーメタリック」同様のツヤ消し青に、ブラウンシートが装着される。もう1色は鮮やかなレッドで、こちらはシート表皮がブラック。両カラーともにホイールが、従来型と異なるブロンズカラーとしている。基本構成やスタイルなどは従来モデルと共通だ。
ついにファイナルエディションが発売されるに至ったCB1100だが、原点となったのが「CBフォア(1999年東京モーターショー出品コンセプトモデル)」だということはあまり知られていない。これは、CB750フォアの30周年を記念して出品された復刻コンセプト車で、オリジナルを意識したエンジンや4本出しマフラーを備えていたのだ。そして8年後の2007年、コンセプト車のCB1100Fが東京モーターショーに出品。CBフォアとは全くスタイルが異なり、CB400フォア風の集合マフラー、前後17インチのキャストホイールなどを採用していた。その約2年半後の2010年2月、市販版のCB1100がリリースされることになった。
CBフォアとCB1100Fは似ても似つかぬ姿だっただけに、この2つのコンセプトモデルに繋がりは全く感じられなかったが、2010年にCB1100Fの市販版としてCB1100が発表された際に、コンセプトの原点としてCBフォアのスケッチが公開されたのだ。そこにはこのように記されている。
・空冷4気筒の機械美を最大限に演出するENG設計(外観)DOHC750(900)バーチカル4気筒はこの車の主役
・シンプルかつ合理的手作り感あふれるダブルクレードルフレームはフレームの王道。フレームとENGの空間の美しさ演出
・深しぼりフランジレスタンクは外観部品の主役。自然で美しいフォルム
・クロノグラフを連想するメーター(スミス風)。針動美の追求
・一世を風靡した殿様ライディングポジション。楽で堂々
・1シリンダー1マフラーの4本マフラー。機能をシンプルに演出
・シートハイト770~780mmで楽に足が着く事
達成していない項目はエンジンのみ。最終的にCB1100はCB1300の水冷エンジンを空冷化することになり、シリンダーは前傾し1140ccと排気量やサイズが大きくなってしまった。4本出しマフラーは、2014年以降EXの2本出しが4本マフラーのサウンドを追求していることからクリア。ほぼ、理想を実現したのだ。
最後に、ホンダ空冷直4ビッグバイクとCB1100の史を簡単に振り返ってみよう。ホンダの直4第1号であり、世界初の実質的な直4量産車こそCB750フォア(1969年)。2気筒650ccクラスが最大級だった時代に、衝撃的なデビューを飾り、「ナナハン」という言葉を生み出した。まさにエポックメイキング作だったのである。当時、カワサキも750cc空冷直4の開発を進行中だったが、CB750フォアが先に発表されたこともあり、計画の変更を余儀なくされた。これが1972年秋の900スーパーフォア=Z1として結実する。1979年、CB750フォアの改良型でライバルに対抗してきたホンダが放った次世代の直4スーパースポーツがB900F/750Fだ。ホンダ初のDOHC4バルブ直4モデルで、軽量でバランスの優れた車体や流麗なストリームラインも高評価。ジュラルミン製セパハンやトリプルディスクブレーキ、チェックバルブ付きのFVQダンパー、コムスターホイールなど、RCBレーサーの技術を注入、またも大ヒットとなる。
ホンダのフラッグシップは水冷V4に移行し、新作の空冷直4機は長年リリースされなかったが、1992年にCB750が登場。CBシリーズの原点に回帰したようなフォルムを持ち、2008年型まで生産された。教習所での大型2輪教習車としても活躍した。約18年ぶりに新開発された空冷CBこそ、2010年の初代CB1100。心臓部はCB1300をベースに空冷化しており、バルブタイミングをわざとズラしすことで空冷らしい燃焼感を演出することに成功している。スタイルは、CB750フォアをはじめ、CB400フォアなど様々なCBのエッセンスを取り入れた。
CB1100は、2014年にマイナーチェンジ。シートとシートレールを見直し、足着き性を一層アップ。ミッションを5速→6速としたほか、FIセッティングや吸排気系の見直しで平成24年排ガス規制に対応した。さらに「CB1100EX」を新設定した。右1本出しのSTDに対し、2本出しマフラーを採用。ワイヤースポークホイールや専用シートなどでトラディショナルなイメージをより強調した。
2017年型では、新設計マフラーやエアクリーナーなどで当時の排ガス規制(平成28年排ガス規制、ユーロ4相当)をクリア。ABSとスリッパークラッチが標準装備された。新たに足まわりを強化したカフェレーサータイプの「CB1100RS」を追加。RS、EXともに溶接痕が目立たないフランジレスタンクをホンダで初めて採用した。また、EXは各部の造形やメッキを見直し、金属感を高めている。2017年以降はSTD、EX、RSの3本立てとなり、STDを除いてLEDヘッドライトも採用した。
さらば空冷直4の超名車!! ホンダCB1100が53年の歴史に幕(ベストカーWeb) - Yahoo!ニュース
バイクも排ガス規制が厳しくて生産終了になるのが増えているらしい。CB1300も生産終了と言う話もあったが、何とか排ガス規制を達成したようだ。ただ燃料供給プログラムなどが行き過ぎて低回転で息をつくようになった。これは後日にプログラムの書き換えを行って改善された。CB1100はCB1300の不具合の調査の時の代車で1カ月ほど乗った。足つきは確かに良かった。足が短いのでCB1300だと両足着けると踵がちょっと浮いてしまうが、CB1100ではべったりと余裕をもって足がついた。借りている車だったのであまり乗り回さなかったが、個人的にはエンジンががさついてあまり好きになれなかった。CB1300のヒューンとモーターのように回る感じが好きなのでちょっと違和感があった。白バイのCB1300は排気音がほとんどないくらい小さい。あれは追尾で排気音でバレないようにだろうか。それとカウルがないので走行風がきつかった。あんな小さなカウルだけど天と地ほども違うんだなと改めて実感した。空冷エンジンは夏場は火事場のように熱いと言うが、それは水冷も同じこと、ラジエターの冷却風が吹き上げてきて熱いなんてものじゃない。ところが冬場はあの熱風はどこに行ったんだと言うほど寒い。冬場にエンジンの熱風が吹き上げてくれれば暖かいんだけど冬場は凍るような風しか吹いて来ない。もっとも冬のバイクは乗ってしまえば傍から見ているほど寒くはないが、・・。ホンダも随分バイクを整理して大きいのはCBR1000系、CB1300系、アフリカツイン系、レブル1100系、NC750系、CBR600系、CB650系あたりか。CB1300もそろそろ整理されそうにも思う。それよりも2030年代半ばでガソリンエンジン車の販売禁止でバイクはどうなるんだろうねえ。電動か、FCVか、バイクは車体が小さいからそうそう複雑な機構は乗せられないだろうし、電動バイクが主流になるんだろうか。あまり面白くなさそうだなあ。車やバイクの魅力の一つはエンジン排気音だからねえ、・・なんて言うのはアナクロニズムの残党になるんだろうか。CB1300のファイナルモデルが出たら買い替えようか。自分の体力と相談してだな。電動が主流になるとガソリンスタンドが減ってガソリンも入手しづらくなるんだろうな。ところでCB1100ってCB750からCB1300に至るバイクの系譜の中の傍流なんだな。同じ系列といえばそうなんだろうけど、・・。ホンダ唯一の大型空冷バイクがなくなると寂しがるライダーも多いんだろうなあ。週末にまたロングツーリングに行こうと思ったら西の方は天気が良くないようだ。10月中にもう1回行こうと思う、‥(^。^)y-.。o○。
※ そう言えばホンダにはGWがあったなあ。でもあれは自分の中ではバイクではなくてどっちかと言うと二輪自動車のような存在だからなあ。教習所にいたころ、「ホンダのGWでも買ったら、・・」なんて言われたけど全く興味がなかった。あれ、バイクじゃないもんな、‥(^。^)y-.。o○。
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